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京都祇園メイクのコラム
京都 祇園コンパニオン派遣メイクのコラム vol.68
以前、メイク事務所から近い清水寺の参道に軒を連ねる清水焼についてご紹介させていただきましたが、今回は信楽焼です。
以前から、なぜ信楽焼イコール狸なのか疑問でした。
そこで先日、朝ドラ「スカーレット」のロケ地巡りをして、信楽焼についてお話を伺ったのでご紹介させていただきますね。
●信楽焼の歴史
平安から鎌倉時代に始まった窯業地を中世六古窯といいますが、日本六古窯とも呼ばれています。
信楽焼(滋賀県)はこのひとつで、歴史ある焼き物です。
ちなみに後の5つは、「備前焼(岡山県)」「丹波焼(兵庫県)」「越前焼(福井県)」「瀬戸焼(愛知県)」「常滑焼(愛知県)」の窯場を指します。
●信楽焼の特徴は
信楽は付近の丘陵から良質の陶土が出る土地柄といわれています。
で、信楽焼の魅力はこの素朴なまでの土の風合いといわれ、自然の豊かさをそのままいかした力強さにあります。
絵付けの商品が少なく、そのため釉薬の種類が多いことで知られていますが、何といっても炎によって生じる火色(緋色)の発色と自然釉によるグラデーションが大きな特徴です。
陶器の場所によって燃やした赤松の灰がかぶったり、焦げなどの変幻自在な色調と風合いが人々を魅了させます。
信楽焼の味ですのわい深さと温もりは、時代を超えて愛されてきました。
●なぜ信楽焼にたぬきが多いのか
信楽へ行ったら町中にたぬきの置物があります。
信楽焼といえばたぬきの置き物というイメージですが、いったいなぜなのでしょうか。
このたぬきが作られるようになったのは明治時代。
ある陶芸家が川のそばで腹鼓(はらつづみ)に興じるたぬきを見て、たぬきの焼物作りをひらめいたそうで、それがはじまりになったとか(にわかに信じられませんが…)。
たぬきの意味は「たぬき→他抜き→他を抜く」ということから、商売繁盛、招福、出世、金運向上などご利益があると考えられているとのこと。
それで、縁起物としてそば屋や居酒屋、和食店などの前にたぬきが置かれているのですね。
全国的に知られるようになった理由に1951年(昭和26)、昭和天皇が信楽町に訪れた際に日の丸をもった信楽焼のたぬきを沿道に数多く並べお迎えしたことにあります。
その景色に感銘した天皇が「をさなどき、あつめしからになつかしも 信楽焼の狸をみれば」と歌を詠んだことが新聞に載り、一躍有名になりました。
これが広く知れ渡り、信楽焼のたぬきが人気となっていったのです。
商売繁盛、福をもたらすことから商家を中心に家の軒先に好んで置かれるようになり、今や多くの店の玄関や家庭に置くのが広まっていったとのこと。
信楽焼のたぬきには、そんなすごいエピソードがあったのですね。
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